波動。 海水に身をひそめていた振動は、 その長さの1・3倍を水深が割ると、波となって立ち上がる。

 波動は、その長さの1・3倍を水深が割ったことに耐えられず、ためてきたエネルギーをすべて放出した。ニュージーランドから海水に身をひそめていた振動は、天を目指して水面を突き上げた。

 高さをピートのサイズと比較して、太郎は仰天した。

 波はその五倍をはるかに越えていたのだ。

 その切っ先は今カールして、ピートの頭上に落ちようとしている。水は一立法メートルで一トンの重さだ。あれだけの量があの高さから落ちたら、人間の骨など紙に等しい。

 危ない、と太郎は息をのんだが、ライドする当人は落ち着いていた。

 ピートは波を背に大きなボトム・ターンを描くと、カールした先端にむかって垂直に登った。ボードが水の唇(リップ)を突き破り、ピートはそれでも足りぬとばかりに後足の乗ったフィンでそれを蹴散らした。そして、またボードが下を向いたところで、水とともに落ちていく。

 ピートは再び大きなボトム・ターンをした。ボードの縁 を立て、水の中に食い込ませている。脚の力だけでは巨大な波のパワーに負けるので、右手でもう一方のレールを握り助けとした。

 ターンをきめられてしまうと、波は飼い慣らされたも同然だった。たとえ波が人間の二十倍の大きさであっても、フェイスを滑るサーファーをホワイト・ウォーターは捕まえることができない。フェイスは、テイク・オフの恐怖に勝った者の領地だ。

 そして、ピートは速度を味方にする。スピードさえあれば、やりたいことが自由にできる。勢いに乗ったピートはもう一度波の頂きに上がると、空に浮いたボードを美しく翻してみせた。白い半円の軌跡を残したボードは、底に降りながら今度はSの字を描く。

 「ピート!」

 波が脇を通りすぎるとき、太郎は大声で呼んだ。

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