サーフィン小説風メキシコ旅行記

ラ・プンタ

−47「メキシカン・パイプラインの父」

 

パコロロは、メキシカン・パイプラインを見つけた男。今は民宿の主人だ。

 「できたのかなあ、あんまりできた気がしないよ」

 「ああ、できたとも」

 「すごいよ、タロウ! ムイ・ビエン!」

 レヒーノもいた。

 「ニュージーランダーが楽しみだな」

 「そうかなあ」

 「そうだとも。デカい波の上に、同じようにSの字を描いてみろ。最高の気分だ」

 「バモス! バモノス!」

 レヒーノは「ロケット発射台」へと猛烈な勢いでパドルしだした。

 「さあ、タロウ。もう一度きめてみろ」

 二人もその後に続いた。

 「発射台」の脇では、まだあの男が波に揺れていた。

 太郎が驚いたことに、男とピートは短い挨拶を交わした。

 男はその後も波に乗ろうとはしなかったので、太郎たちは入ってきた良いセットをつかまえて岸までライドした。

 「誰?」

 沖に戻りながら太郎は尋ねた。

 「パトリシオ・《パコロロ》・グティエレス。メキシカン・パイプラインを見つけた男さ。今は民宿の主人だ」

 「パコロロって、あのパコロロ?」

 「何だ、タロウ、知っているのか?」

 「イーナ達が泊まっていたんだ」

 ピートは何も言わず、パドルをくり返した。

 そして、しばらくして吐き出すように言った。

 「皮肉なもんだな」

 どうして?

 と太郎はききたかったが、ラインナップに戻るとそこにはパコロロが待っていた。当人の前でその質問をしてはならないような気がして、太郎はできなかった。

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  1. 箇条書き項目キミの探すものは、ココにある!

  1. 箇条書き項目コ、コレが欲しかったんだよ!