サーフィン小説風メキシコ旅行記

ラ・プンタ

−41「バック・パックの重み」

 

どうやって、謝ろう? それを考えると、背中に担いだバック・パックがずっしりと肩に重い。

 ラ・プンタに続く脇道の所で、やぶにらみと太郎はトラックを降りた。舗装されたとはいえ穴ぼこだらけのカレテラを、車は黒い煙を吐きながら遠ざかっていった。

 カレテラの脇には巨大な木がそびえた立ち、その木陰に守られるかのように小さな学校が立っていた。その学校から岬の部落まで一本道が延びている。雨期に雨が降るとぬかるみだらけになる赤土の道も、今は乾燥してカチカチに固まっていた。

 「ああ、なんだかダルいよ。家に帰って、もう一度寝直しだな」

 スカートに付いた砂ぼこりを払うと、やぶにらみは歩きだした。急いでるわけではない。かといって、太郎を待っているというわけではない。振り返らず、先へ先へと離れていく。

 どうしよう、・・・?

 一本道の先にラ・プンタの高台が見える。その道がつきる所まで歩いてしまえば、そこはレストランテ・イネスだ。

 どうやって、イネス母ちゃんに謝ろう?

 それを考えると、太郎の足どりは重くなった。背中に担いだバック・パックが、ずっしりと肩に食い込むように思えた。

 波乗りのためだ。嘘をつかなくちゃ、・・・。

 でも、嘘かあ、・・・。

 一キロほどの道のりを、太郎はできる限りゆっくりと歩いた。イネスと顔を合わせるのが、嫌で嫌でたまらなかった。やぶにらみが前を歩いてさえいなかったら、どこかに逃げ出していたかもしれない。しかし、小屋はもう目の前だ。

 「ブエノス・ディアス」

 前を行くやぶにらみが、小屋にむかって挨拶をした。

 椰子の葉の屋根の陰から、イネスが出てきた。

 「おはようさん、って言っているのに、そっちからは返事なしかい、イネス?」

 ぱーん!

 イネスは何も答えず歩み寄ると、突然やぶにらみの頬を叩いた。

 「この淫バイ! お前は、アタシの娘に«売り»をさせようとしただけじゃ気がすまなくて、タロウにも手を出したのか! この子をプエルトの«おかま»どもに売ったりしてごらん、アタシはお前を殺すからな!」

 「違うよ、バカ女!」

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  1. 箇条書き項目コ、コレが欲しかったんだよ!