サーフィン小説風メキシコ旅行記

ラ・プンタ

−29「ダンスでお金」

 

「ダンスを踊るの。大人の人とダンスを踊るだけで、お金がもらえるの」

 太郎がアニタの手をつかんだ。

 「どうしてなの?」

 アニタは天真爛漫に尋ねた。

 「これから何をさせられるのか、わかってるのか!」

 「ダンスを踊るのよ。大人の人とダンスを踊って話をするだけで、お金がもらえるんだって」

 「バカ! それだけで済むはずないだろ」

 「じゃ、何するの?」

 「アニタ!」

 やぶにらみが業を煮やして叫ぶ。

 「今、行きます」

 「ダメだ、アニタ。行ったら、裸にされて、変なことをされるんだぞ!」

 「アニタ! こっちは親切で連れてってやるって言ってるんだからね。ノタノタしてると、おいてくよ!」

 アニタは歩きだそうとした。

 「お金ならあるよ! ヘスーサにもらったお金がある。待ってて!」

 太郎は小屋の中に飛び込んで、自分の荷物から金をつかみだしてきた。それをアニタの手に握らせた。

 「ほら、お金だ。アニタにあげる。だから、«売り»なんかするなよ!」

 大人のようになってしまった少女の瞳が、太郎を見つめている。

 「お前に全部やる。お金があれば、行かないだろ? ヘスーサの仕事を手伝って、稼いだんだ。ちゃんとしたお金だよ」

 「ヘスーサの、・・・なの? 母ちゃんが、・・・」

 「黙っていりゃ、かまわないさ」

 「うん、・・・。でも、・・・」

 「«売り»のほうがましだって言うのか?」

 「・・・」

  1. 箇条書き項目キミの探すものは、ココにある!

  1. 箇条書き項目コ、コレが欲しかったんだよ!