サーフィン小説風メキシコ旅行記

ラ・プンタ

−43「お盆=夏休み残り半分」

 

もうそろそろ、お盆だ。夏休みも、半分終わりだ。でも、目の前にはAシェイプの波。

 たしかに、もうそろそろお盆だ。・・・。夏休みも、半分終わりだ。

 砂浜を歩きながら、太郎は海を見た。

 これって、日本までつながってるんだ。・・・。

 みんな、心配してるだろうな。

 あれから一度も日本に連絡を取らずに、太郎はずるずると過ごしてしまった。

 ・・・。だけど、電話をしたら帰れって言うだろうな。

 僕までいなくなったと思って、もしかすると、ママは泣いているんだろうか、パパがいなくなったあの時のように?

 「出張だ」と言って、メキシコ・シティーのマンションを出たきり、帰ってこなかったパパ。そのあとで、僕にはラ・プンタの写真を、ママには離婚届を送ってきたっけ。それから、勤めていた会社では、いろんな土地で姿を見かけたって噂がたったけど、・・・。今は、どこにいるんだろう? ・・・。

 波がひとつ音をたてて割れた。

 やっぱり、帰りたくない。ここを離れるのは嫌だよ。・・・。

 帰れない、って言うのはどうかな? 山賊に襲われて、帰るお金が無いっていうのは?

 ダメだ! ダメに決まってる。そんな事を言おうものなら、あのママのことだ、メキシコにやって来ちゃうよ。

 そもそも、ママは、この旅に反対だった。ママは、パパと関係することは何でも避けようとする。家族三人で七年も暮らした場所を訪ねるなんて、もってのほかだった。

 傾く夕陽が海をオレンジ色に照らしていた。

 メキシコが夕方だと、日本は何時なんだろう?

 太郎はいつの間にかかなりの距離を歩いていた。振り返ると、ラ・プンタの岬が遠くに見える。プエルト・エスコンディードのはずれにある建物が、もうすぐそばだ。

 どうしよう?

 その時だった。

 沖から大きなうねりが来るのが見えた。うねりは砂浜に近づくと、見事なAの字型に立ち上がった。そして、波はますます大きくなり、こちらにやって来る。波がカールになって、先端が白く色を変えた。水が掘れ上がった底に砂は無く、赤土が露出している。そこめがけて波の先が激しく散ると、Aの字の二つの辺はきれいに左右に割れていった。もの凄い音と振動がひと呼吸おいて続いた。

 太郎は立ち止まった。

 そして、苦笑いを浮かべた。

 ハハハ。僕は、また、迷ってる。

 太郎は振り返ると、もと来た砂浜を戻った。

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