サーフィン小説風メキシコ旅行記

ラ・プンタ

−39「ロケット発射台」

 

ロング・ボードは青い海に立つ高い城だよ。僕は王様だ。この青い領地は僕のものだ。(ロケット発射台にて)

 ラ・プンタの「ロケット発射台」。

 インサイドの岩の脇、テイク・オフのためのポイントを太郎はこう名づけた。

 「発射台」には、どちらからのうねりが入っても、波が割れた。そこは、砂のビーチ・ブレイクと暗礁のリーフ・ブレイクの中間の性格を持つ理想的な遊び場だった。ブレイクする波は、いつも決まった場所で割れた。そうでない波は乗れない波だ。

 浜から、発射台までパドルし、待つ。波に乗り、浜へ。そして、発射台に戻る。あとは、食事をして寝る。太郎の一日は、とても単純だ。

 あ! 海ガメだ!

 ロング・ボードの上に立って、太郎は足元の海を眺められるほど余裕がでてきた。この時期のラ・プンタの水は透き通っていて、底の砂まで見える日もある。薄ブルーに屈折する光の中を、緑色の円形の影が流れていった。

 この青く輝く水面は、僕のものだ。

 波の斜面に食い込んだ縁 に体重をかける。

 それが斜めに波を切っていく。

 視線を上げると、熱帯の夏の海が美しい傾斜を果てしなく作っている。

 ロング・ボードは青い海に立つ高い城だよ。海がどこまでも見える。僕は王様だ。この青い領地は僕のものだ。

  1. 箇条書き項目キミの探すものは、ココにある!

  1. 箇条書き項目コ、コレが欲しかったんだよ!