すべての出来事が同時に起きてしまう一瞬は終わった。決断は報われ、時間は緩慢に流れはじめる。

 時間の流れが変わった。

 すべての出来事が同時に起きてしまう一瞬は終わった。

 決断は報われ、時間は緩慢に流れはじめる。

 「広いなあ」

 海が広い。視界がゆっくり広がった。足元に穏やかに水が広がっていた。

 鳥になったよ。・・・。

 水面にへばりつくように水ばかり見ていた二つの目が、いま海から一・六メートルの高さに鳥の視線を手に入れたのだ。

 グライダーのように、太郎の体は宙を滑った。

 それまで自分を追いかけて、追いつめて、息の詰まる思いに何回も追い込んできた海。その海が後ろへ後ろへと流れていく。

 「グッド・テイク・オフ!」

 ピートがどなる。

 なんて気分だ!

 ひとつの波をきめるって、こんなにもイイ気分になれるのか!

 躊躇しなかったし、ハラキリでもなかった。

 そして、立ってる。

 水の上に立ってる!

 割れた波とともに、太郎はまっすぐに岸にむかって滑り降りる。すると、白いスープはショア・ブレイクとなってボードを持ち上げた。

 板のノーズが波の頂きから飛び出し、太郎の体が宙に浮いた。ボードを軽く蹴ってやると、自分がもっと高く空に舞い上がるような気がした。膝をかかえて、宇宙遊泳のようにゆっくりと回転する。満足感にあふれて、太郎は頭から水の中に落ちた。

 ピチャリと、遅れて落ちたリーシュ・コードも楽しそうに音をたてた。

  1. 箇条書き項目キミの探すものは、ココにある!

  1. 箇条書き項目コ、コレが欲しかったんだよ!