絶好のうねりがやって来

て、切り立った。

 太郎の体が、波のカールの

先まで持ち上げられた。

 岸から見るより、ずっとデ

カいや!

 躊躇する太郎の体の下を、

波が通過する。

 太郎はあわててパドルを始

めるのだが、もう遅い。

 無意味に暴れて、けっきょ

く顔をもたげて通り過ぎた波

の背を見つめただけだ。

 くそっ! どうしてダメなんだ!

 思いきり自分を投げ出して、波の底に頭から向かう勇気が、太郎にはない。

 デカかったさ。

 今の波はデカかった。

 デカすぎて乗れなけりゃ、それでもいいじゃないか。

 乗れないのがわかっているのに、遅れてパドルしは

じめてさ。

 形だけ、挑んで。

 挑んだことで自分に納得するなんて、サイテーだ!

 最低だということがわかっているのに、体が動かないから余計に頭にくる。

 太郎は続いてやって来た小さな波をとらえて、腹ばいになって滑った。

 波打ち際までたどり着くことができたが、少しもうれしくはなかった。

 これじゃないよ、もうこれじゃないんだ。

 これじゃもう気持ち良くないんだ。

 太郎はテイク・オフ・ポイントに戻った。

 さっき沖に出たときに比べて、パドルする時間が長くなったように感じた。

 「タロウ、低気圧が近づいてきて、波がデカくなってきたぞ」

 ピートが言った。

 大きくなれ、大きくなるんだったら、メチャクチャ大きくなれ。

 太郎はどんな波でも突っ込んでいくつもりだった。

 いつもより西寄りにうねりが一つ入って来た。

 本来崩れるべきではない所から割れる悪い波だった。

 今度は悩まない!

 太郎は閉じはじめた波を背にパドルしだす。

 決意は勇ましかったが、それは明らかに無謀なテイク・オフだった。

 「ハラキーリー!」

 とピートが叫んだ。

 

「タロウ、低気圧が近づいてきて、波がデカくなってきたぞ」

  1. 箇条書き項目キミの探すものは、ココにある!

  1. 箇条書き項目コ、コレが欲しかったんだよ!

«ロス・クラーク・ジョーンズ/台風の波に乗る男»


「なんだ、このメキシカンみたいなオッサンは?」な

んて無視せず、どうぞこのビデオをご覧になって下さ

い。この男性は、知る人ぞ知るビッグ・ウェィバー、

ロス・クラーク・ジョーンズ氏です。その彼が、我ら

日本人サーファーの誇り、低気圧の親玉、台風につい

てビデオの終わりで語っています。和太鼓の音をBGM

に現れる台風の波は、たぶん、宮崎で撮影されたのだ

と思います。(ごめんなさい。ビデオの中では具体的

な場所は明示されず、ただ、日本の南部だとだけ。ご

存知の方、どうかご教示下さい。)日本でトーイン!

台風スウェルに、世界が注目!

  1. 箇条書き項目人気なので、品切れ警報発令中!

  1. 箇条書き項目雨から守れ。売れてます。

サーファーになるとは、どう

いうことなのでしょうか? 

「低気圧」「台風」といった厄

介なものが大切になり、「仕事

お金」といった重要なものがそ

れほど重要じゃないんだと気づ

くこと。気象に精通し美しい肉

体を持つサーファーは、旅のた

めに語学を身につけ、世界経済

にもにらみをきかせます。まず

は、身近な«気象»から把握。

  1. 箇条書き項目もし「低気圧」という存在がなかったら、このタヒチの波も、ケリー・スレーターのライドも存在しないわけです。「アルティメット・ウェィブ(至上の波)」のメイキング・ビデオです。タヒチでは、波も女性も美しい。