サーフィン小説風メキシコ旅行記

ラ・プンタ

−31「十字架で守る」

 
 ピートとヘスーサの家は、丘の上にあっ

た。

 家といっても、それは熱帯の木と葉を組

み合わせた簡素なものだった。

 その前には、大きな十字架が立ってい

た。

 白いペンキで塗られた十の字は、空に

くっきりと線を引いていた。

 その脇に並んで、ラ・プンタの眺めに太

郎は息をのんだ。

 足元から張り出した丘の緑は沖にむかっ

て伸び、赫い土を剥がれた断崖がそそり

立っている。

 その前に白い巨大な岩が並び、そして海だ。

 真っ青な太平洋だ。

 「美しくないか、タロウ?」

 ピートも岬を見つめていた。

 「うん、とっても」

 ふたりの足元を、海にむかって風が抜けていった。

 「美しい場所を見ると、人間はどうしてもそれを

壊さずにはいられないのかもしれない」

 ピートの視線が海に落ちた。

 右手に広がる砂浜の先を見やった。

 椰子の木々の合間にプエルトの町並が見えた。

 「電気や水道も無いこんな場所にも、ホテルを建てて儲けようって奴が、ひっきりなしに現れる。そんな

奴らからこの美しい場所を守るために、これを立てたのさ」

 ピートは、寄りかかっていた十字架を叩いた。

 
「神の怒りが怖いのか、十字架をさえぎ

るように建物を建てたりは連中もしない」

 どうして、こんな人が、・・・。

 太郎は混乱していた。

 「だいたい、土地は誰か一人の人間のも

のじゃないわ」

 焼けた魚を運んできたヘスーサが言っ

た。

 「大地はそこに生きる者すべてのもの

よ」

 「人間は神と名前が付けば恐れるが、そ

の名がなければ、それが指しているものは

平気で破壊できるのだ」

 「ピート!」

 太郎はたえきれずに尋ねた。

 「どうして、イネス母ちゃんの弟を殺し

たの?!」

 

「ホテルを建てて金儲けしようって奴らから、この美しい場所を守るために、十字架を立てたのさ」

  1. 箇条書き項目キミの探すものは、ココにある!

  1. 箇条書き項目コ、コレが欲しかったんだよ!

奇跡は、信じる人には必ず起きます。上のビデオ

は、キリストの目が開くところをとらえたもの。下

のビデオは、嵐を鎮めるために、磔になった両腕を

キリストの像が降ろしたというもの。生きていると

いうこと自体が奇跡であると知れば、すべてが奇跡

なのだということを素直に受け入れられると思いま

す。もちろん、目の前の波も。