サーフィン小説風メキシコ旅行記

ラ・プンタ

−27「 波の上で悩むな」

 
 レヒーノはロング・ボードを

抱えた。

 「重いや、このボード」

 レヒーノのやつめ、ロング・

ボードが使いたくてたまらない

んだな。

  「また沖に出るの、タロ

ウ?」

 少年はもう太郎の足首の

リーシュ・コードを見てい

る。

 「もちろん、出るさ」

 太郎はそう言わざるをえな

い。

                            レヒーノの腕からロング・

ボードを取ると、海にふたたび飛び込んだ。

 レヒーノには済まないことをしたかな。

 でも、このままやめたら、僕はかっこ悪すぎるよ。

 ピートは、ラ・プンタの大きな岩の脇で波が来るのを待っていた。

 ライン・アップに並んで、太郎が話しかけた。

 「ここは波が小さすぎるよ。もっと大きければ、乗れるのになあ」

 東洋の少年の小さな見栄をピートは笑わなかった。

 次の波も太郎はうまく乗れなかった。

 そして、その次も波をつかまえることができなかった。

 波のピークから見下ろした高さに、腕の動きが止まってしまった。

 「怖いか、タロウ?」

 「・・・」

 太郎はそれを認めたくなかった。

 「タロウ、怖かったら、それでもいい。だけど、波の頂きに来たら、悩んではいけない。

『俺の波だ』とパドルしたら、突っ込むか、やめるか、決められるのは君だけだ。・・・。

それとも、お父ちゃんに背中を押してもらわないとダメか?」

 「僕のパパはサーフィンなんか教えてくれなかった、・・・」

 「カモン。波の上じゃ、みんな一人だ。親も子も、大人も子供も、関係ない」

 「・・・」

 「焦るな、タロウ。水の中で過ごしているうちに、海がすべて教えてくれる」

 レヒーノが、太郎を追って、水に浮いた岩の上をつたってきた。

 ラ・プンタは彼の庭のようなものである。

 手足を巧みに使い、すばやく岩から岩

へと飛び移ってくる。

 大きな岩を軽々と登ると、突き出た先

端に座って二人を見た。

 ボードにまたがるピートが、少年に手

招きした。

 「来いよ」

 レヒーノは岩の上で迷っている。

 「サーフィンがしたいんだろう? 来

いよ」

 ピートは、アメリカ人にしては流暢な

スペイン語を話す。

 決心して、レヒーノは海に飛び込ん

だ。

 水の中でレヒーノにボードを渡すと、

ピートは岩をよじ登り、

 「バモス!」

 と掛け声をかけた。

 その言葉がとどくのを待たずに、レヒーノはめくらめっぽうパドルを始めている。

 波が来て、小さな体は蹴散らされた。

 それを笑った太郎も、蹴散らされた。

 パドルしては波に巻かれ、パドルしては吹き飛ばされ、それが延々とくり返されたが、二人はなかなか海か

ら上がろうとしなかった。

 

怖かったら、それでもいい。しかし、波の頂きに来たら、悩んではいけない。

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surfmexicoryoko@gmail.com1012.htmlmailto:surfmexicoryoko@gmail.comshapeimage_7_link_0shapeimage_7_link_1

メキシコのビッグ・ウェィブと言えば、トードス・サントスの名前がまず上がるのではないでしょうか? アメリカとの国境近くから伸びる半島の南端、バハ・カリフォルニア・スール州にあります。このサイズには、恐怖。でも、悩まない!

台風の大波にいどんだことがある人には、このビデオを見ることが

すでに恐怖かも? 巨大波の情け容赦ないパワーが、全神経によみ

がえります。しかも、ワイプアウト。その後、サーファーは無事

だったのでしょうか? 場所は、プエルト・エスコンディードの

ビーチ・ブレイク。「悩むなと言われても、・・・」

メキシコ、メインランドのシークレット・スポット。

YouTube の説明には、プエルト・エスコンディードで

はないことが書かれていますが、これがなかなかどこな

のかと特定することが難しいです。撮影されたのは、

15年以上前。その間に、かつてのシークレットだった

リオ・ネスパやラ・バーラ・デ・ラ・クルスも「秘密」

のブレイクではなくなってしまいました。サリナ・クル

スのプンタ・コネホ(ウサギ岬)あたりが、セミ・シー

クレットとして人気を集めているような現状。ただ、オ

アハカ州、チャパス州、そして、お隣の国グアテマラへ

と続く太平洋のコースト・ラインには、まだまだ良い波

が隠されていて、誰かに見つけられる日を待ちわびてい

るはず。サーフィンは、未だ冒険足り得るのです。