サーフィン小説風メキシコ旅行記

ラ・プンタ

−17「少女に笑われた!」

 

年下の少女に笑われて、太郎は複雑な心境だった。無理やり不愉快であろうとする自分に気づいて、それを滑稽に感じた。

 「いいよ。何回でも手伝っ

てあげる」

 その「もう一回」を何度く

り返したことだろうか。

 くり返してもくり返しても

あの感覚をもう一回という気

持ちになってしまう。

 ひとつの波を岸まで乗りき

ると、胃の奥のほうから笑い

がこみ上げてくる。

 なんで、ニヤニヤするんだ

よ! やめろよ、気持ち悪い。こんなの子供の遊びじゃないか!

 「今度は、一人でやるから」

 と、手を貸そうとするアニタを太郎は制した。

 ところが、なんど挑戦してみても、太郎はいっこうに波をとらえことができなかった。

 どんなに懸命に泳いでも、腹の下を波が通り過ぎていってしまうのだ。

 アニタが笑って見ているせいか、波も自分を馬鹿にしながら逃げていく気がする。

 あせって無理に腕をまわして、太郎は腹ばいのまま前のめりに転んだ。

 崩れた波に巻かれ、水の中で一回転した。

 砂混じりの海水が、口の中にどっと入っ

てきた。

 「アハハ、アタシの助けが必要ね」

 年下の少女に笑われて、十六歳の太郎は

複雑な心境だった。

 愉快でもあり、不愉快でもあった。

 無理やり不愉快であろうとする自分に気

づいて、それを滑稽に感じた。

 「こんなの子供の遊びなんだ。面白いわ

けないだろ」

 口にだして言ってみると、やはりおかし

くて笑ってしまった。

 ふたりは半欠けボードで時を忘れて遊び続けた。

 「何やってるんだい?! 昼飯の準備ができたよ!」

 イネスが砂浜の半ばまで歩いてきて怒鳴ったときには、真夏の太陽が天の頂きに昇りじりじりとすべてのものを焼いていた。

 海から出ると白い砂浜も焼けていて、太郎たちは浜昼顔の草むらまで走らねばならなかった。

 足を休める小さな草の茂みは、砂浜に点々と散らばっていた。

 その上を、石ケリでもするように太郎とアニタは跳びはねていった。

 「あ」

 と小さく声を出してアニタが立ち止まった。

 
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  1. 箇条書き項目コ、コレが欲しかったんだよ!

いやあ、これが、知る人ぞ知る逸品なんです、千葉の「多古米」。しかも、生産者が「五木田さん」とはっきりわかっているのがうれしい。そして、千葉の銘酒「梅一輪」。こちらは、「守屋さん」が心を込めて作っています。筆者・松本も飲んでいます。