サーフィン小説風メキシコ旅行記

ラ・プンタ

−9「熱帯のハンモックで」

 
  1. 箇条書き項目<メキシコハンモック事情>上のビデオでは、メキシコのかわいいお嬢さんが、メキシカンハンモック(もしくは、マヤンハンモック)の上手な使い方を説明してくれます。ポイントは、ハンモックに対して直角または斜めに横になること。こうすれば、背中の部分に角度がつき過ぎて「目が覚めたら、痛い」という状況を避けることができます。ハンモック選びに関しては、「大は小を兼ねる」の一語に尽きます。安くて小さいものを買って、寝心地悪いと後悔するくらいなら、ここは「一生もの」と心を決めて、投資。もっとも、理想を言えば、メキシコまで買いにいくのがベストです。下の、プエルト・エスコンディードのハンモック売りのビデオをご覧下さい。フチタンという町から売りに来たおばさんは、「綿のハンモックは高くて、700ペソだけど、あなたには、おまけして、600ペソ」と言っています。(ビデオ撮影2007年)メキシコの物価上昇や円/ペソ交換比率の変動は、ぜひ考慮に入れてお買い求めを。キーワードは「綿」。スペイン語では「アルゴドン」(algodón)と言います。

熱帯の風が抜ける。「パパは怖くなかったんだろうか?」 ハンモックの中で、太郎は考えてみた。

 太郎が目覚めたときには、陽はすでに高く上がっていた。粗末な小屋のまわりには誰も見あたらず、小屋の背後にある緑の高台からゆっくりと風が吹いている。風は熱帯の木々のあいだを抜け、岬の岩場を軽くたたいていた。ラ・プンタには規則正しくうねりが当たって、整然と崩れていた。

 どうして、パパはここに来たんだろう?

 ハンモックの中で体を起こすと、太郎はそのことを考えずにはいられなかった。

 確かに、この岬はきれいだけど、・・・。

 だけど、それだけでどうしてパパは帰ってこなかったんだ? ・・・。みんなは、てっきり、誘拐されたんだと思ってた。

 太郎が拾った半欠けのボードは、浜に打ち上げられたままになっていた。昨夜の満ち潮の時にかなり上まで運ばれて、今は海に戻ることができずに取り残されている。強い真夏の太陽に焼かれて、もう熱くなっていることだろう。

 立ち上がって、太郎は岩場へおりた。

 ラ・プンタは、五キロほど伸びた白い砂の海岸の南の端にある。砂浜の端のはし、砂が切れて石が転がりはじめるところに、ひときわ大きな岩があった。

 引き潮で水から出た石をひとつひとつ渡って、その岩に腰を下ろした。表面に生えた苔は、ヒンヤリと湿り気を残していた。

 パパもこうやってこの岩に座ったんだろうか?

 背中を倒して横になってみる。

 真っ青な空が視界を覆って、目が回りそうになった。まるで宙に浮いているようで、怖かった。

 太郎は目を閉じた。

 太陽の光が瞼の薄い皮膚を通り抜けて、一面が朱色の世界に変わった。何も見えなくなったおかげで、からだ全体で日差しの熱を感じた。

 パパは怖くなかったんだろうか?

 おそわれた少女の、あの遠い眼差しを太郎は思い出していた。

  1. 箇条書き項目キミの探すものは、ココにある!

  1. 箇条書き項目コ、コレが欲しかったんだよ!