サーフィン小説風メキシコ旅行記

ラ・プンタ

−6「レストランテ・イネス」

 

みすぼらしいけど、ここはレストランみたいだ。壁もなければ扉もない。床は、海岸の砂がそのまま広がっている。

 椰子の葉で葺かれた軒先は肝心の小屋よりも大きく、その下にはテーブルが二つ広げられている。

 腐りかけたテーブルのまわりを、壊れた椅子が四脚ずつ囲んでいた。

 みすぼらしいけど、ここはレストランみた

いだ。・・・。

 柱には、ペンキでなぐり書かれたメニュー

が掛かっている。

 「レストランテ・イネス」とその端に書か

れているので、ここがそうだということがな

んとか判る。

 壁もなければ扉もない。床は、海岸の砂が

そのまま広がっている。その砂の上に、太郎

は横になっているのだ。

 葉を編んだ屋根の外には、すでに闇が広

がっていた。あお向けになった太郎の上に、

数千の星が輝いている。

 「さあ、食事の支度ができたよ」

 テーブルの真ん中に鍋を置いて、母親が

言った。トマトの汁の中で、魚と野菜が煮え

ていた。

 軒先の柱に吊られたハンモックが揺れ、父

親らしい男が頭をもたげた。そして、面倒く

さそうに起きあがると、テーブルまで身を運

んだ。

 犬も集まってきた。どこからともなくやっ

てきた五匹の犬は、余り物を期待して早くも

尾を振っている。

 
  1. 箇条書き項目キミの探すものは、ココにある!

  1. 箇条書き項目コ、コレが欲しかったんだよ!

 「名前はなんて言うの?」

 姉のアニタが太郎にきいた。

 「太郎」

 やっと言葉が音になって喉を出た。

 「ケ・ボニート!」

 なんて綺麗な響きなの、と母親と娘が顔を

見合わせて微笑んだ。

 「タロウ、タロウ」

 アニタがその言葉を繰り返す。

 たったひとつしかない裸電球に照らされ

て、二人の笑顔が浮かび上がった。

 電灯はちっぽけな小屋の軒先に下がっていた。

✱メキシコのレストランテでビールを! ビール通の方への一番のおすすめは、ボヘミア(「ボエミア」)です。正統派で、コクのある、無名の逸品と言えるでしょう。「せっかくメキシコに来たのだから、何か変わったものを」という人には、ネグラモデロを。メキシコの黒ビールは、話の種に一度は飲んでおきたいもの。お酒はちょっと苦手という女性におすすめなのは、コロニータ。有名なコロナの「小瓶」なんですが、そのビンのかわいさは、地元のアーティストもほっておきません。お部屋のデコに最適かも? でも、今は日本でも買えるんですね。感謝、感謝。