第二章


 なんて青い海なんだろう。

 これより青い青なんてあるん

だろうか。

  海を映す空も負けじと青く、

下にもっと青い海が広がってい

るから、ようやくそこに波では

なく雲があるのが納得いく。

 その二色の青の境目を、白い

鳥が飛んでいった。

 遥か彼方を飛んでいるはずな

のに、まわりの青さゆえ、鳥の
輪郭がはっきりと見える。

 白い鳥ははじめ水平線のその上を漂っていた。

 が、急に向きを変えたかと思うと、再び身を翻しSの字を描いた。風に乗り、その力を充分に蓄えると、空に自分の意志で線を刻んだ。そして、流れるように滑ったあと、夕陽の中に紛れて見えなくなった。

 そして、この太陽。

 日没まであとわずかだというのに、その日差しは力強い。太郎と陽を結ぶ帯はくっきりと朱に染まり、海の青に対抗している。その帯の端に太郎がいて、そこから長い影が背後の丘にむかって伸びていた。

 今駆け降りてきたばかりの丘は、太郎の左手をさえぎるように岬となる。岩肌をむき出しにし、楔のように海に切れ込んでいる。

 断崖には、九十九折りになった小道がついていた。岩にしがみつくように歩くと、何とか人ひとり通ることができる。ふたつの人の影がゆっくりゆっくりと足元を確かめながら降りてくるのが見えた。ひとりは幼い少年で、投網らしきものを肩に担いでいる。もう一人は姉だろうか。少年よりほんの少し大柄な少女が先になり、あとわずかで砂浜というところまで来ている。

 陽が沈みはじめた。

 熱帯の日没。邪魔をする雲など一つもあろうはずはない。

 

なんて青い海なんだ。そして、この太陽。熱帯の日没!

  1. 箇条書き項目キミの探すものは、ココにある!

  1. 箇条書き項目コ、コレが欲しかったんだよ!