サーフィン小説風メキシコ旅行記

ラ・プンタ

−12「旅費も、航空券も」

 

三月かかって貯めた旅費も、帰りの航空券も、貴重品袋ごとバンディードスに盗られてしまった。

 夜は明けて、熱帯の

太陽が刻々と高くなっ

ていく。

 汗はあふれるように

吹き出してきて、T

シャツを濡らした。

 脱いで絞ると、水滴

が焼けたアスファルト

にしたたり落ちた。

 毛穴から、汚い物が

ぜんぶ出てってくれれ

ばいい。・・・。

 太郎は小さな部落にさしかかった。家が二、三軒あるだけのとても小さな集落である。

 その一軒の家の軒先に、青い電話のマークを見た。

 「長距離」の文字がある。

 そうだ、ママのくれた連絡先に電

話しよう。

 胸元に手を当ててみた。

 あ!

 連絡先の紙切れを入れたはずの貴

重品袋はバンディードスに盗られて

いたことを思い出した。

 三月かかって貯めた旅費も、帰り

の航空券も無かった。

 しかし、ここに、とどまるわけに

もいかなかった。

 太郎にできるのは、歩くことだけ

だった。(枠の下に続く)

 

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  1. 箇条書き項目キミの探すものは、ココにある!

  1. 箇条書き項目コ、コレが欲しかったんだよ!

 パパ、僕はどうすれば良かったんだ?

 パパなら、立ち向かっていったか?

 歩き続ける太郎の頭の中にそんな言葉が浮かんでは、メキシコの熱気の中に消えていった。

 熱された路面からは水蒸気がたち、こちらに向かってくる車はその陽炎の中を抜けてくる。道路にできた「逃げ水」で、それは川の上を滑ってくるように見えた。

 強い日差しに頭はぼうっとしてきたが、足は止まらない。胃袋の奥の方から沸々と熱い何かが湧き上がってきて、太郎を前に進ませる。

 僕みたいなだらしない人間は、暑さで解けちゃったほうがい

いんだ。・・・。

 そんな気分にもなる。

 陽が傾く頃になっても、おさまることを知らない日差しは、

太郎の背を容赦なく焼いた。

 体全体がふわっと宙に浮いたような感じがしてきて、自分の

ものではないようだ。頭の芯がカアッと熱くなって、そこだけ

が唯一存在しているような気がする。

 体が熱で蒸発して、かげろうになったみたいだ。

 ・・・。

 それでも、太郎は歩き続けた。なぜ歩くのかもよくわからなくなってきた。自分を罰しているような気もしたし、歩いていれば何かが手に入るような気もした。しかし、それは何時間か前のことで、今は何がなんだかわからなくなっていた。

 歩きだしたんだから、歩こう。

 太郎はただそう思った。

 
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松本尚人
サーフィン小説風メキシコ旅行記「ラ・プンタ」
surfmexicoryoko@gmail.com1001.html2011.htmlmailto:surfmexicoryoko@gmail.com?subject=%E7%84%A1%E6%96%99%E5%BA%83%E5%91%8A%E6%8E%B2%E8%BC%89%E3%81%AB%E3%81%A4%E3%81%84%E3%81%A6shapeimage_4_link_0shapeimage_4_link_1shapeimage_4_link_2