サーフィン小説風メキシコ旅行記

ラ・プンタ

−6「長距離バス・ターミナル」

 
 南に向かう長距離バスが発着するのは、地

下鉄タスケーニャ (Tasqueña) 駅にある大きな

ターミナルだ。

 プエルト・エスコンディード行きの直通バ

スは夕方に出て、十四時間の道のりを一晩中

走る。

 バスの出発予定時刻は過ぎているのだが、

定められた駐車位置にその姿が現れる気配が

ない。

 人の行列だけはとうの昔にできていて、太

郎もその中にいた。

 列の中には、様々な人と物が混じっていた。

 仕立ての悪いスーツを着たメキシコのビジ

ネスマンと、同僚のパンチョ・ビラ風。

 プラスチック製のテーブルと椅子が五脚。

 バケツに入った血の匂いのする肉。

 巨大な鳥かごには、生きた鶏が二匹。

 農夫の一家は靴を履いていなかった。

 ヨーロッパから来た旅行者もいた。

 メキシコ人より頭ふたつ背の高い老人は、熱心に旅行ガイ

ドブックを読んでいる。

 若い女三人組は、英語ではない言語を話していた。

 二人はブロンドで、ひとりはブルネット。

 はやりの型のジーンズをはき、三人とも小さなシャツから

へその穴をのぞかせていた。

 太郎のすぐ脇には、うるさい連中がいた。

 メキシコ人の若者三人が、サーフ・ボードを裸のまま抱え

ている。

 三人が三人ともだぶだぶのトランクスをだらしなくはき、

一人は肩の刺青が見えるようにわざと上半身を裸けていた。

 どこからともなく運転手が現れ、バスのエンジンをかけた。

 車掌らしき手伝いの男も出てきて、乗客の切符を改めはじめた。

 改札を終えた客は、我先にと車内へなだれ込んだ。

 「フィンが折れちまったら、ボードは使いものにならねえんだよ!」

 サーファーの一人が、運転手に文句を言った。トランクへの入れ方が気に入らないらしい。

 まったく、サーファーっていうのは厄介な連中だ、・・・。

  

 

プエルト・エスコンディード行きの直通バスは、地下鉄タスケーニャ駅にある大きなターミナル発。十四時間の道程。

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「ロンリー・プラネット」がいいんだけど、英語は苦手! となると、頼りになるのは、やはり「地球の歩き方」。メキシコから、中米へ足を伸ばすのも、有。グアテマラ、エルサルバドル、ニカラグアには未知のブレイクがいっぱい。そして、コスタリカはサーファー天国。
  1. 箇条書き項目キミの探すものは、ココにある!

  1. 箇条書き項目コ、コレが欲しかったんだよ!

地下鉄タスケーニャ駅 (Metro Tasqueña, línea 2) の脇にあるバ

スのターミナルの正式名称は、Terminal de Autobuses del Sur 

住所は、Av. Tasqueña 1320 Col. Campestre Churubusco 

電話は、Tel. 5689 9745です。

バスの車両には、比較的新しく快適なものもあります。ただ

し、十四時間の道のりは長いです。プエルト・エスコンディード

には空港もありますので、空路で向かうことも可能です。一方で

ケルナバカ、タスコ、アカプルコ、ピノテパ・ナショナルと少し

ずつ移動するのも、メキシコを深く味わうためには、おすすめで

す。旅行に費やせる時間によって、選択肢が多いのも「貧困と億万長者が雑居する国」メキシコのありがたいところです。