サーフィン小説風メキシコ旅行記

ラ・プンタ

−5「ラ・プンタに行きな」

 
 「タロウ、ラ・プンタに行きな」

 「・・・?」

 「タロウ、お前、あの岬に行くんだろ。プエルト・エスコンディードのあの岬さ」

 太郎は驚いた。

 「ルピータ! なんで、それを知ってるの」

 「言ったろう。オアハカの女の勘は、何でもお見通しだって」

 太郎はポケットから一枚の写真を出した。

 「パパがいなくなったあと、届いたんだ」

 そこには、青い海が写っていた。写真の左端に岬が突き出し、大き

な波の整然とした列が残りを占めていた。

 ルピータは歩きながら太郎にほほを寄せた。

 「ラ・プンタに行くといいよ、タロウ。ラ・プンタに行けば、一生

のうちで最もいいことが起きるよ」

 「でも、ルピータの友達は、行かないほうがいいって、・・・」

 「タロウ、お聞き! ・・・。お前は、ラ・プンタに行くよ。必ず

ね」

 「もし、行かなかったら?」

 「行かなければ、きっと後悔する」

 「・・・」

 二人は市場の出口まで来た。

 「タロウ、今日はお前の顔を見ることができて、とても良かった

よ」

 別れ際に、ルピータはもう一度太郎を抱きしめてキスをした。

 「あんたのパパも、あの日ここに来たのさ」

 「え、パパが!」

 二、三歩歩きだしていた太郎の足が止まった。

 「パパは、どうして、いなくなったの?」

 ルピータは黙っている。

 「ねえ、答えてよ。ルピータ」

 答えは自分で見つけなよとばか

りに、ルピータは眉を上げてとぼ

けてみせた。

 「さあ、もうお行き、タロウ。

あんまりここでグズグズしてい

ちゃダメだよ。あんたのパパはそ

うじゃなかった」

 アディオス、とルピータは優し

くさよならを言って、建物の中に

消えた。

 「アディオス、ルピータ!」

 市場の奥まで聞こえるように、太郎は大声で別れを告げた。

 

「タロウ、ラ・プンタに行きな」「もし、行かなかったら?」「行かなければ、きっと後悔する」

トップ » 第一章 メキシコ・シティから、プエルト・エスコンディード » 5 「ラ・プンタに行きな」 5 頁

  1. 箇条書き項目コ、コレが欲しかったんだよ!

✱立ち上がろう、東日本の飲食店✱
千葉県、茨城県、福島県、宮城県、青森県、北海道の飲食店・小売店の経営者の皆様、お店の広告を無料で掲載します! 詳しくは、12頁右下をご覧下さい。1012.htmlshapeimage_2_link_0
  1. 箇条書き項目「エンドレス・サマー」は、いい波を求めて世界を旅する二人のサーファーのドキュメンタリー映画。伝説の、南アフリカの「五分以上続くチューブ」がおさめられています。セネガル、南ア、オーストラリア、タヒチといった波のチョイスに、六十年代の「匂い」を感じますね。

  2. 箇条書き項目「ビッグ・ウェンズデー」は、サーファーの青春、栄光、挫折、そして、ビッグ・ウェィブ、すべてが詰まった傑作映画です。未だにこれを超えるサーフィン映画はないと言っても過言ではありません。波に乗る鉄人(哲人)ジェリー・ロペスも友情出演しています。

  3. 箇条書き項目どうか、この映画を見ずに「大人」になってしまわないでください。